スポンサードリンク

プロバイダはインターネットの専用語ではありません

プロバイダという言葉がよく出てきますね。インターネット用語だと考えているかたが時々いますが、プロバイダという言葉はインターネットの専用語ではないのですね。元来、プロバイダとは provider の事で、英語では「提供者」との意味です。物やサービスを提供する人や会社はすべて provider (プロバイダ)なのです。その意味で、農家もプロバイダ、石油会社もプロバイダ、あらゆるメーカーが自社製品のプロバイダ、家主さんもプロバイダ、NTTは通信伝送路のプロバイダ・・・なのです。

ただ、インターネットの中で使われているプロバイダとはもっと狭義で、インターネット・サービス・プロバイダ:ISP(Internet Service Provider)のことを意味します。インターネットの世界は急速に発展しているためか、使用されている言葉の定義が様々で、未だに定着していないものがあります。例えば、ホスティングサービスを提供するプロバイダをインターネット・ホスティング・プロバイダ:IHP(Internet Hosting Provider)と呼ぶ場合があります。また、IHPの発展型として、サーバの設定から管理までの一切のテクニカルな業務を提供するものをマネージド・ホステイング・プロバイダ:MHP(Managed Hosting Provider)と呼ぶ場合があります。

あまり厳密に考えないで、プロバイダとはISPのことでいいでしょう。プロバイダ比較の基礎知識を身につけましょう。

また、日本では、日本人しか分からない和製英語が多数あります。たとえば、ホスティング・サービスのことをレンタルサーバと呼ぶ場合があります。レンタルサーバは機器すなわち物です。サービスと物が混同されています。メールマガジンも和製です。日本のメールマガジンに似たものは米国では I-zine (Intenetの I と magazine の zine をつなげたもの)が一般的ですが、メールではなくて、ウェブページ(ホムページ)で公開されています。レンタルサーバ、メールマガジンといっても、英語圏では通用しません。

プロバイダ比較のためには、プロバイダについての基礎知識が大切です。個人やSOHOの利用者は通常インターネット・サービス・プロバイダ:ISP(Internet Service Provider)やインターネット・ホスティング・プロバイダ:IHP(Internet Hosting Provider)を利用するでしょう。法人はインターネット・ホスティング・プロバイダ:IHP(Internet Hosting Provider)を専用回線や専用サーバで利用するでしょう。特に、法人では、最近、マネージド・ホステイング・プロバイダ:MHP(Managed Hosting Provider)の利用が増えています。

インターネット・サービス・プロバイダ:ISPが提供するサービス内容

インターネット・プロバイダの比較では利用料金も大切ですが。インターネット・プロバイダの比較で大切なのはまずはサービス内容ですね。

では、インターネット・サービス・プロバイダ:ISP(Internet Service Provider)のサービス内容を見てみましょう。その過程で、インターネット・ホスティング・プロバイダ:IHP(Internet Hosting Provider)やマネージド・ホステイング・プロバイダ:MHP(Managed Hosting Provider)のことも明確になります。

インターネット・サービス・プロバイダ:ISPの主なサービス内容は次の通りです。1.インターネット接続。2.無料ホームページ作成。3.掲示板やチャットの出来るCGI提供。4.ブログ作成。5.メール送受信、メールアドレスの追加、迷惑メール対処、海外とのメール送受信のためのローミング。6.ウイルスチェック。7.携帯電話、モバイルPC接続。8.IP電話。9.音楽、TV、映画、ゲームコンテンツ提供10.独自ドメイン取得代行などです。

このようにインターネット・サービス・プロバイダ:ISPが提供するサービスはいまや生活インフラの一つとして不動の地位を占めています。生活インフラであるインターネット・サービス・プロバイダ:ISPには更に多くのサービスが求められるようになり、新たにホスティングサービスをメニューに取り入れるインターネット・サービス・プロバイダ:ISPやホスティングサービスを専門に提供するインターネット・ホスティング・プロバイダ:IHPが増えてきました。

この専門業者が日本ではレンタルサーバと呼ばれています。これはサーバが利用者非所有の形態で領域と機能を提供するサービスで、その提供内容により、専用サーバ、仮想専用サーバ、共用サーバに大別されます。

主なサービス内容は次の通りです。

1.インターネット接続。2.メール送受信、メールアドレスの追加、迷惑メール対処、海外とのメール送受信のためのローミング、自動転送、自動返信。3.URL転送。4.ダイナミックドメイン追加。5.仮想ドメイン追加。6.バックアップ。7.自動復旧。8.監視。9.帯域保証などです。

このインターネット・ホスティング・プロバイダ:IHPやレンタルサーバでは、設定は加入者が行わねばなりません。そこへ出てきたのが、マネージド・ホステイング・プロバイダ:MHP(Managed Hosting Provider)です。これは設定はもとより、バージョンアツプやその他一切のテクニカルな保守管理業務を行うもので、利用者がサーバ管理技術者をもつ必要がなくなるので、今後、法人向けプロバイダの主流になると期待されています。

このように多岐にわたるサービスを提供する「・・・プロバイダ」「レンタルサーバ」は日本に1000社以上存在しますが、技術的・価格的競争が激しく、今後は自然淘汰が進むものと考えられています。大は、鉄道でいえば線路にあたる通信信号幹線伝送路=回線から各サービス提供設備までを一貫してもつものから、小は、通信信号幹線伝送路=回線は大手から借り受けて、ある特定のサービスの提供に特化したものまで、サービス内容・技術レベル・価格などが様々です。したがい、選択する側であるプロバイダ利用者からのプロバイダ乗り換えが益々盛んになりつつあります。

日本の主なインターネット・サービス・プロバイダ:ISPと2008ランキングTOP5

プロバイダを比較するときには、どんなプロバイダがあるのか、それぞれがどんな自社資産の有効活用を目指して設立されてきたのかを整理してみるのが大切です。

通信信号幹線伝送路=回線をもつNTTグループは基本価格競争面で有利でしょう。光通信信号幹線伝送路=回線をもつ電力会社や鉄道会社グループも基本価格競争面で有利でしょう。しかし、サービス提供のための各種機器を製造する電機機器メーカーやソフト開発力に勝るソフト会社グループも周辺価格競争面で有利でしょう。

サービスで大切なのは価格だけではありません。サービス内容やサポート体制も大切です。利用者の満足度は総合的なサービス体制で決まるようです。

日本の主なプロバイダは下記の通りです。1.NTTグループOCN(NTTコミュニケーションズ)ぷらら(ぷららネットワークス)など2.電力会社グループeo光関西電力系MEGA EGG中国電力系Pikara四国電力系BBIQ九州電力系HOTCN北海道電力系など3.鉄道会社グループCYBER STATION JR系Tigers-net.com阪急阪神ホールディングズ系など4.電機機器メーカーグループBIGLOBE NEC系@nifty富士通系So-netソニー系など5ソフトバンクグループYahoo! BB ODN アクセスインターネットなど6.ケーブルテレビグループ@NetHome J COM系 ZAQ J:COM系 @TCOMなど7.その他 au one net (KDDI) ASAHIネットhi-ho IIJ系 AOL Gyao 光など。

選ばれるほうのプロバイダの浮き沈みには、激しいものがあります。直近の人気プロバイダはどこでしょう?回線スピード、利用料金、サービス内容、サポート体制などから、利用者が選んだ2008ランキングは次の通りです。光フアイバーでは1位:eo光2位:ぷらら3位:So-net4位:@nifty5位:BIGLOBE。ADSLでは1位:@nifty2位:AOL3位:So-net4位:ぷらら5位:OCNです。

スポンサードリンク

Copyright © 2008 プロバイダ解体新書―その基礎知識 All rights reserved.
inserted by FC2 system